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連載企画

あそこのおかあさん縄文人だから -山田スイッチ-

第34回 壮大な歌 2011年3月9日

「一万年と二千年前から愛してる

八千年過ぎた頃からもっと恋しくなった」

というのは、アニメ『創世のアクエリオン』の歌詞に

何度も表れるフレーズなのですが。

縄文に普段から接している我々は、

「ほほう…縄文草創期から愛していて、しかも八千年過ぎた頃っていうと、

縄文中期の頃からもっと恋しくなるのかあ……すごいなあ」

と思うわけです。

縄文時代がすごいと思うのは、

ブッダの生まれた2600年前(縄文晩期)や

イエス・キリストが生まれた2007年前(弥生時代)よりもずっと前から

人々は存在していたというところです。

縄文時代、人々は。

普通に生きて、家を建てて暮らし、

社会的にみんなの力を合わせて

環状列石(ストーンサークル)なんかも作っちゃって。

人類が絶えることのないようにとか

そういうことを考えていたのかどうかはわからないけども

とにかく、懸命に生きていたんだな…と思うのですよ。

ようは、答えがなくても人は生きていけるし

試行錯誤しながら、どうにか生きてきたんだという

漠然とした安心感を覚えるわけです。

2600年前にインドに生まれたブッダは、

「たとえ上手な人」だったのだと思うのです。

今、仏教が一つのブームになってきていることは、

仏教の言葉による救いが

2600年経っても変わらぬ力を持っているからだと思うのです。

現実を生きるために、2600年前の人も現代人とまるで同じように

己の執着心とたたかい、苦しみ、悩んでいたと思うのですが。

そこにブッダが現れて、

「でもまあ、想像してご覧よ。」と言ったわけです。

「眼があるから見えるものに振り回されるし、

耳があるから聞こえるものに振り回されるんだから。

眼もなく、耳もなく、鼻もなく、舌もなく、身体も、意(こころ)もない。

そんな状態を、想像してご覧よ。」

と。これは般若心経の中の「無眼耳鼻舌身意」の部分ですが。

まるでジョン・レノンの「イマジン」みたいですよね。

Imagine no possessions

I wonder if you can

No need for greed or hunger

A brotherhood of man

Imagine all the people

Sharing all the world

「想像してごらん。

君ならできると思うよ。

欲張ったり飢える必要なんてない。

みんな兄弟なんだって。

想像してごらん。

みんなが世界を分かちあうんだって……。」

ちなみに、イマジンの歌い出しで、

Imagine there’s no Heaven

It’s easy if you try

No Hell below us Above us only sky

Imagine all the people Living for today…

「想像してごらん。天国なんてないんだって。

簡単でしょう

地獄なんて僕たちの足下にはないし、

ただ、僕たちの頭上には空がひろがっているだけ。

そして、人々はただ、今日を生きている」

これは、仏教もキリスト教も知っているはずのジョン・レノンが

その仏教もキリスト教も生まれる以前の世界に思いを馳せた、

壮大な歌だと思うのです。

だって、実をいうと天国も地獄も

宗教と共に生まれたものなのですから。

宗教が生まれる前は、そんなものはなかったわけです。

ジョン・レノンの言うとおりに。

そして、そこには

Above us only sky

私たちの上には、ただ空がひろがっているだけ……。

ただ、空がひろがっているだけ。

この光景を、私は環状列石に出かけるたびに

見つけます。

広大な列石の空間で、出会うのはいつも

上空にひろがる空と、

太陽なのです。

コメント

  • ホントに壮大な歌ですね。でも、この1万2千年前から愛してた…というフレーズはどうしても作詞をした人が縄文を意識していた…と思うなあ。

    2011年6月26日 8:42 PM | さかいひろこ

第34回 壮大な歌 への1件のコメント

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プロフィール

山田スイッチ

1976年7月31日生まれ。

しし座のB型。青森県在住コラムニスト。 さまざまな職を経て、コラムニストに。 著書に「しあわせスイッチ」「ブラジルスイッチ」(ぴあ出版刊)、「しあわせ道場」(光文社刊)がある。

趣味は「床を雑巾で拭いて汚れを人に見せて、誉めてもらうこと」。

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