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連載企画

だびょん縄文

第7回 あの熱い日々がよみがえった記念企画展 2018年12月28日

三内丸山遺跡に雪が降り、寒いけど静かで美しい冬景色が広がっています。
7月に縄文遺跡群の世界文化遺産国内推薦候補選定を受けて大喜びしていたのに、11月には「奄美・沖縄」が世界自然遺産候補として正式に国内推薦が決定されました。
遺跡に立つといつもの変わらない風景があり、「1~2年遅くなったっていいじゃない。私たちなんか5500年も待っているのよ。世界遺産のためにやることたくさんあるでしょう」と言われたような気がした。

冬至間近の雪景色

縄文ビッグウォール

1 1月、三内丸山遺跡では新展示収蔵施設が一般公開されました。さっそく中に入ると天井が高く、ゆったりとした空間がひろがります。木製の床で歩きやすく、照明も明るくほっとします。高さ6メートルの壁、縄文ビッグウォールには5120個の本物の土器片が貼られていて、大迫力で圧倒されます。さわりたくなるのをグッとこらえて、顔を近づけて土器の模様を間近で見ると縄文人の息遣いが感じられそう。
建物全体が茶色で統一され落ち着いた雰囲気で、博物館にいるというより高級な家にいるような気がします。展示されている大きな土器や遺物は見たことのない物ばかり。今までどこに隠していたの?まだどれだけお宝があるの?と三内丸山のすごさを知らされたような気がします。
企画展示室で開催中の一般公開記念企画展『すべてはここから始まった-三内丸山遺跡の熱い3年間-』のギャラリートークに参加しました。この企画展は、平成4年から6年まで行われた大規模な発掘調査による、今は見ることができない穴だらけの貴重な遺跡発掘の写真展です。パネルの前で当時の発掘担当者が解説してくれました。「ここは私が掘りました。10人の作業員さんと10日間位で終わるだろうと思っていたが、掘っても掘っても終わらず、日数も延び、結局深さ4メートル掘りました」「当時は広い範囲で発掘していたので他の場所の様子がわからず、家に帰ってテレビのニュースで出た遺物を知ることができました」と。聞きながら、当時が思い出された。私は縄文を知らない市民だったので、連日のテレビ、新聞のフィーバーに一体全体何が起きているのだろうと頭がざわざわと落ち着かず、心に何かの火がついたのか仕事や家事をしても上の空。町中もねぶた祭り前のように縄文熱気でわさわさしていた。今でもこうして当時の話を聞くとまた心が熱くなってくる。

縄文ポシェット発掘場所の解説パネル

同日、一般公開記念イベントとして、フォーラム『三内丸山遺跡を活かす』が行われ、熱い3年間の後の三内丸山の歴史を話された。大規模発掘から26年間、短いけれど色々な事実とさまざまな活用が積み重ねられ、こうして歴史は作られ、そして自分もこの三内丸山の歴史に少しでも係わっているんだと考えるとまた心が熱くなる。フォーラムでは、その遺跡にしかない魅力を見つけ、地域全体で支えることが大切であると話された。最後に「県民の理解によって保存され、常に県民の身近な遺跡であってほしい」と。

同じく11月より、青森県立郷土館で『新説!白神のいにしえ -津軽ダム建設に伴う発掘調査成果とともに-』展が開催されている。世界最大規模のブナ原生林のある世界自然遺産白神山地を臨む西目屋村の津軽ダム。企画展では、ダム建設に伴い行われた発掘調査による出土品を中心に、縄文時代早期から15000年間にわたる考古、自然、民俗資料を展示。完全ではないけれど遮光器土偶が何体か見られます。亀ヶ岡遺跡のシャコちゃんと同じように、どれも右脚が欠けていてちょっと不思議です。4脚の台に乗ったおすまし顔の土偶は類例がなく珍しいとのこと。土偶たちの表情が本当に素晴らしい。怖い顔も可愛い顔も美人さんもありほっこりしてしまう。土偶好きの方には必見です。三内丸山遺跡の土偶と比べてみるのも楽しいです。
三内丸山遺跡の記念企画展は来年2月24日まで、郷土館の企画展は1月20日まで開催していますので、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

左:四脚をもつ土偶(水上(2)遺跡/西目屋村)
右:大型遮光器土偶(川原平(1)遺跡/西目屋村)
(青森県埋蔵文化財調査センター所蔵)

そうそうたった今、パリから大型板状土偶と縄文ポシェットが帰ってきました。みんなでパリの香りがするねとか少し垢抜けたねと話しています。長旅本当にお疲れ様でした。お客様があなた達に会いたがっていましたよ。
冬こそおいしい青森の郷土食と、三内丸山遺跡の新しい施設と青森県立郷土館で縄文お正月はいかがでしょうか?皆様にとって来年も良い1年でありますように。

帰ってきた大型板状土偶と縄文ポシェット
あーあ疲れたと言っているみたい

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