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連載企画

だびょん縄文

第8回 世界遺産登録推進フォーラム 2019年2月8日

新しい年を迎えて、青森県に降り積もった雪をも溶かしてしまうのではと思われる程のうれしく明るいニュースがありました。
ひとつめは全国高等学校サッカー選手権大会で青森山田高校が優勝したこと。それも2年ぶり2度目の優勝です。先制されてから同点にして、最後は逆転して勝利するというパターンは見る人を一番感動させます。青森山田高校サッカー部監督は「全国から注目されるもの、誇れるものがひとつできたことを県民の方に大いに喜んでほしいし、われわれはそんな存在になりたい。それでみんな元気になれたらいい。それがいちばんうれしいこと」と(東奥日報記事より)。
ふたつめは1月23日に開催された国の文化審議会で、2019年の世界文化遺産推薦選定は「北海道・北東北の縄文遺跡群」のみを審議する方針で、再び推薦候補になることが事実上決まったと新聞に載っていたこと。喜んだり、落ち込んだり、そしてまた喜んでと、振り子のように揺れていたのがちょっと一休みです。このままでずっといてくれたらいいなあ。

1月末に東京の有楽町朝日ホールで「北海道・北東北の縄文遺跡群-世界遺産登録推進フォーラム」が開催されました。このフォーラムは毎年1月最後の週末に行われており、平成23年度から続けられ、毎年のようにたくさんのお客様がお出でになります。この会場の熱気を感じ、本当にありがたく、元気づけられ、また1年頑張ろうという気になります。青森県知事は「ここにお集まりの方々は縄文の熱い想いを持った方で、あきらめずに応援していただき、心から心から感謝しております」と熱い挨拶をされ、お客様の心を和ませてくれました。
文化庁文化財調査官の鈴木地平氏は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を事例としてイコモス審査について解説されました。当初は長崎の教会群を世界遺産にとしていたが、キリスト教が何らかの迫害を受けたことは世界中で見られることであり、むしろ250年間の禁教期に焦点をあててみたらというイコモスの助言で内容が見直されたとのこと。世界遺産も権力者が作った豪華絢爛の「優品」から、名もない歴史に残らない人々の生活文化も将来伝えていかなければならないという考えもでてきたのではないかと話されました。
「北海道・北東北の縄文遺跡群の課題と最新情報」で縄文遺跡群世界遺産登録推進会議座長岡田康博氏は、文化審議会から出された課題、何故この地域なのか、何故17遺跡なのかに対し、この遺跡群で何を語れるのか話されました。ブナ林を中心に落葉広葉樹林が海岸線まで広がっていたのでサケ、マスの水産資源に恵まれていたこと、貝塚を見ると環境の変化が説明できることに加えて、常に一体的な文化圏が作られている、保存状態も良く、縄文の始まりから集落の変遷、精神文化の充実等を示す遺跡がこの地域にはそろっている、と。最後の「あと少しでございます」の言葉が力強く、会場の空気も明るい雰囲気になっていきました。
鼎談「世界遺産を活かす」では、世界遺産になると一時的に人が増える。その時ボーとしていたら何も得られない。あらかじめ予測をたて、どう受け止めるか考えてほしい。17の遺跡がうまくつながっていけたらよいという話がされました。

 

世界遺産になるということで、青森山田高校サッカー部監督の言ったように日本中のみならず、世界中に誇れるものがあるということで、地域のみんなが元気になってほしい。そして、世界遺産になったときこそ、地域の人が頑張らねばと思います。まずは地域の遺跡を何度でも訪れ、好きになってほしい。そしてその遺跡がなぜ世界遺産になったのかと考えてほしい。青森県内でも他にも素晴らしい縄文遺跡があるし、日本中にもたくさんあります。それらの遺跡にも世界遺産効果が波及されるための工夫も必要なのではないかと考えます。

吹雪の三内丸山遺跡。この日も台湾、ブラジルからのお客様をご案内。

 

 

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