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第11回 土器や石器がみつかるところって何? 2019年9月19日

「部屋を片付けなさいっ!」今思い出してみても「わかってるっ、片付けようと思ってた」なんて言いそうです。読みかけのマンガ雑誌、食べたポテチの袋、勉強机の上の作りかけのガンプラ…。小学生の頃、私の部屋はすごく散らかっていました。自分の部屋に自分の生活の痕跡を残していた訳です。例えば、幼児が遊んだ後は、積み木、ボール、ミニカー、人形と部屋中におもちゃが散らかりますよね。その部屋の状態だけ捉えると、積み木、ボール、ミニカー、人形で遊んだ事がわかり、部屋の真ん中でボール、端っこでミニカー等と遊んでいたんだなと判断することができます。つまり、私の場合は、勉強もしないで、マンガを読んでポテチを食べ、ガンプラを作っていた事が親にバレバレなのです。
遺跡におきかえてみましょう。発掘調査をすると、土の中から土器片や石器が見つかり、どんどん掘り進めていくと、それらがひろがって見つかります。注意深く見ると、土器片がたくさんあり、まとまるところ、石器しかないところ、何も見つからないところ、ただの大きな石が並ぶところなどがあります。そこからどんな判断ができるでしょうか?(あわせて発掘調査現場では、土の種類や色、硬さ、混じり具合等の質の違いがあり、重要な判断基準となります。ここでは、見つかり方に重点をおきます。)見つかり方や見つかる物の種類によってわかることがあります。住居やお墓、石を配したもの、捨て場(送り場)など生活の痕跡です。また、大きく見ると、住居がいくつも集まるところ、大きくひろがっている捨て場、お墓の並びなど、集落(ムラ)の様子が判断できるわけです。

さて、大平山元遺跡をみてみましょう。土器片や石器が広がって見つかります(写真1・2)。大きなひろがりではなく、楕円形にコンパクトに集まっています。その周辺には広がっていませんし、別のまとまりも見つかっていません。また、その場所の土の色の変化や質の違いなどはありません。つまり、土器片や石器が見つかるものの、住居などの痕跡がはっきりとわからないということです。ですが、この楕円形に広がるまとまりが居住域(暮らしていたエリア)と言えそうです。まとまりの中でも土器片の集まりが2ヶ所あります。全体では1つですが細かく見ていくと種類によって違いがある場合があり、土器を中心とした暮らしがみえてきます。

写真1 土器片や石器の広がり1

 

写真2 土器片や石器の広がり2

現地では、この楕円形のまとまりを「土のう」を用いて、サイズがわかりように大まかに表現しました、大相撲の土俵みたいですが、大きさの感じがわかると思います(写真3)。また、当時の河川によってつくられた段丘や地形の様子もわかりますし(写真4)、河川までの距離や山間の風景も見ることができます(写真5)。

写真3 暮らしていたエリアの表現

 

 

そして、大山ふるさと資料館では、見つかった土器片や石器を展示しています(写真6)。現地とあわせてどうぞ。「んだびょん縄文」の中村文子さんにとりあげていただき、良い感想をいただきました、ありがとうございます。なお、その回にもありましたが、平成10年度の発掘調査で見つかったものは、県重宝の指定を受けています(写真7)。
紹介が長くなってきましたね。いまだに散らかっている、私のまわりを片付けなければなりません。まずは職場の事務机からはじめます、今回はこのあたりで。

写真6 大山ふるさと資料館内 大平山元遺跡展示室

 

写真7 大平山元1遺跡出土品(県重宝)

 

(駒田透:外ヶ浜町教育委員会社会教育課)

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