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連載企画

縄文遊々学-岡田 康博-

第33回 さんまるミュージアムオープン 2010年7月27日

去る7月9日(金)、縄文時遊館内に待望の「さんまるミュージアム」がオープンしました。オープニングセレモニーでは、三村県知事や橋本県教育委員会教育長、そして地元青森市立三内西小学校の子供達などによるテープカットが行われました。


テープカットの様子

これまで三内丸山遺跡の出土品は、遺跡内にある展示室で展示・公開されていましたが、展示されていたのはほんの一部で、ほとんどは収蔵庫に保管されていました。また、太いクリの木柱も展示スペースがなく、県外での展示以外にはほとんど見る機会がありませんでした。そして防火・防災上の理由から、プレハブの遺跡展示室では重要文化財の展示はできず、一部が県立郷土館や県立美術館で公開されているのみでした。

この遺跡展示室も築後15年が経過し、老朽化が進んだことと、膨大な三内丸山遺跡の出土品や発掘調査の成果をまとめて公開する必要があることから、縄文時遊館の縄文ギャラリーを改修して三内丸山遺跡の常設展示室を整備することになりました。昨年度改修工事を終え、今年度に入り展示作業などの準備を行い、ようやくオープンとなりました。広さも以前より15%ほど広くなりました。新展示室の愛称は、公募の結果、青森市立泉川小学校3年生の安保羽藍(あんぼうらん)さんらの提案による「さんまるミュージアム」と決定しました。


さんまるミュージアムの展示の様子

「さんまるミュージアム」のメインテーマはずばり「縄文人の生きる姿」です。豊かな自然の中で暮らした縄文人の生活を出土品を通して、具体的にわかりやすい展示をしています。また、大型板状土偶や縄文ポシェットを含む重要文化財503点が展示されています。

総展示点数は1,687点となり、これまでのほぼ倍の点数となりました。

入り口から続く縄文時代までの時間の長さを実感できるタイムスケールトンネルの先では、少年と縄文イヌが見学者を出迎えてくれます。この少年がいろいろなことを学び、経験し、成長していく姿を中心に縄文人の生活がテーマ毎に展示されています。少年とともにイヌもまた成長していく様子が顔の表情によく表れています。また、出土品のうち優品、逸品が展示されている「縄文のこころ」のコーナーは照明を暗くし、それぞれの展示品が際だつようにしていますが、他は全体的に明るくしてあり、長時間見学しても疲れないように配慮されています。


さんまるミュージアムの展示の様子

今回の展示方法では新たな試みがなされています。説明パネルをなくし、その代わりに小型モニターを数多く設置し、出土品の情報や解説などを行っています。説明パネルですと一度作ると変更や更新はなかなか難しいのですが、この小型モニターは簡単に内容の更新を行うことができ、文字、写真、イラストなど様々な情報も入れることができます。

これから夏休みが始まりますし、また、12月には東北新幹線が全線開業します。三内丸山遺跡の新たな魅力として、大勢の見学者の皆様をお待ちしていますので、是非とも足をお運びください。

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プロフィール

岡田 康博

1957年弘前市生まれ
青森県教育庁文化財保護課長  
少年時代から、考古学者の叔父や歴史を教えていた教員の父親の影響を強く受け、考古学ファンとなる。

1981年弘前大学卒業後、青森県教育庁埋蔵文化財調査センターに入る。県内の遺跡調査の後、1992年から三内丸山遺跡の発掘調査責任者となり、 1995年1月新設された県教育庁文化課(現文化財保護課)三内丸山遺跡対策室に異動、特別史跡三内丸山遺跡の調査、研究、整備、活用を手がける。

2002年4月より、文化庁記念物課文化財調査官となり、2006年4月、県教育庁文化財保護課三内丸山遺跡対策室長(現三内丸山遺跡保存活用推進室)として県に復帰、2009年4月より現職。

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