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連載企画

縄文遊々学-岡田 康博-

第44回 高校生が見たJOMON 2011年2月21日

昨年末、大変うれしいニュースが飛び込んできました。『NPO法人三内丸山縄文発信の会』が、文化庁長官表彰を受けました。長年にわたり三内丸山遺跡を中心に縄文文化や遺跡について積極的な情報発信を行ってきたことが評価されたとのことです。


文化庁長官表彰受賞式の様子

発信の会については、以前紹介したことがありましたが、情報発信に特化した活動を継続してきたことは特筆すべきことです。また、出前講座である「縄文塾」も多士済々な講師陣のもと数多く開催してきましたし、毎年恒例のお月見コンサートもすでに10回を数えました。特に様々な活動を通じて著名な学者や第一線で活躍している研究者とのネットワークを構築できたことは、今後の大きな財産になるものと思われます。

今回、歌手の八代亜紀さん、漫画家の里中満智子さんらとともに受賞したことから見ても、賞の重さや価値がわかります。各地で活動している数多くの民間団体の励みとなる受賞だと思います。遺跡で活動するパートナーとして心よりこの受賞を喜びたいと思います。


文化庁長官表彰受賞後の記念撮影

さて、遺跡に足を運ぶ機会の少ない高校生に本県の縄文遺跡や縄文文化に興味・関心を持ってもらうために青森県教育委員会では「高校生が見たJOMON」と題してテレビCMを作成し、放送することとしています。先日、募集していたCM原作(絵コンテ)の審査委員会が開かれました。審査委員は、番組製作の専門家や遺跡で活動する民間団体の方々などです。

まず、驚かされたのは、応募作品の質の高さです。本県の縄文文化や遺跡の特徴をよく捉えています。そして、その中で何をアピールすればよいのかコンセプトが非常に明快でわかりやすいものが多く、縄文文化についての現代的な視点での評価、過去へのタイムトリップ、そして縄文から現代までの連続性をテーマとしたものなど、内容もバラエティー豊かでした。高校生らしさが随所に見え、本当におもしろく、作品としての可能性が強く感じられました。

個人的には高校生が「縄文」について、どのような印象を持ち、どんなところに興味があるのかもよくわかりました。また、何よりもうれしかったのは、「縄文」という日本の歴史では大半を占めているものの学校でも取り上げられることが少ない分野でありながら、実に縄文に関する情報をよく知っているということでした。それだけ本県では「縄文」が身近なものであるということだと思います。遺跡に関わるものとしては望外の喜びです。

予算があれば何本も映像化したいと思うほどでしたが、審査の結果、見事選ばれたのは県立黒石商業高校3年の千葉美里さんの「変わらない美しさ 縄文文化」でした。

いま、映像化を進めていますので是非とも放送をお楽しみに。

「高校生が見たJOMON」CM原作コンクール応募作品の審査結果

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プロフィール

岡田 康博

1957年弘前市生まれ
青森県教育庁文化財保護課長  
少年時代から、考古学者の叔父や歴史を教えていた教員の父親の影響を強く受け、考古学ファンとなる。

1981年弘前大学卒業後、青森県教育庁埋蔵文化財調査センターに入る。県内の遺跡調査の後、1992年から三内丸山遺跡の発掘調査責任者となり、 1995年1月新設された県教育庁文化課(現文化財保護課)三内丸山遺跡対策室に異動、特別史跡三内丸山遺跡の調査、研究、整備、活用を手がける。

2002年4月より、文化庁記念物課文化財調査官となり、2006年4月、県教育庁文化財保護課三内丸山遺跡対策室長(現三内丸山遺跡保存活用推進室)として県に復帰、2009年4月より現職。

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