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連載企画

縄文の風を感じてみませんか?-土岐 司-

第31回 雪が人を結びつけていた? 2009年12月25日

山ではなく日常生活をする周辺に雪が降り始める12月下旬師走ともなれば人の温もりをことさらに感じる。夏場には挨拶程度しか交わすこともない近隣の住人たちが、雪の降った早朝5時頃ともなればそれぞれに武器(スコップ、雪掻き)を持ちより雪片付けに汗を流すのです。そこには自然に片付け作業のリーダーが生まれ、その下に作業が進む。私は力がなく腰の痛みがあるのでコーヒーを準備して労をねぎらう係りに徹することにしている。

積もった雪を放置しておけば車社会の現代では居住地周辺は身動きができなくなるから除雪は不可欠な労働です。自然の脅威の前に人々が身を寄せ力を出し合う様は、縄文時代の共同生活と同質のものではないだろうか。自然の中では常に、仲間であり戦友であることで支えあう精神が身について行くのだろう。

近年、自然災害が多く新聞やテレビというメディアを通じて分かることは、地域住民が力を出し合いながら難関を乗り越える様が国内外を問わず映し出されていることからも知ることができる。人類は努力により文明を発達させ文化を築いて今日に至ったが、反面失うものも少なくはなかったと言われる。得たものは指折り数えることができない程多岐に及ぶが、失ったものならば数えることが可能なのかもしれない。

数えられることの一つは人類が物を得、物の量が多い者が力を持ち少ない者が弱者とされ格差を生み出し、人と人との粘着力が弱まり結束力を失ったのではないかと少しだけ感じることです。物がなく人と人が寄り合いながら助けあった縄文時代の姿を、除雪作業の中から見てとることが出来たが大切にしたい何かが隠されているようだ。現に戦後の貧しい日本人たちは、互いに支えあうことが生きることだと身に染みているであろうが、時代の流れの中で忘れられ失ってしまったとすれば悲しいことです。これを緊急な現代的な人類の課題だと言えば大きすぎる話題だろうか。

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プロフィール

土岐 司

1942年青森県生まれ

高校理科教員を38年勤め、2004年有限会社ヒーリングエコツアーPROガイド エコ・遊を設立。 教員在職中、白神山地を題材とした授業の中で、白神の自然を後世に残すという想いに目覚める。

会社設立より現在に至るまでのシーズン中(5月中旬~11月中旬)に白神を留守にしたのは片手で数えるほど。

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