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連載企画

縄文の風を感じてみませんか?-土岐 司-

第45回 旅の効用は大人に限らない 2010年12月1日

高速道路の通行料金が破格の安さになった。有難いのかどうかは高速道路を利用することの少ない私には実感がないのが現実だ。それでも、日本一と自負する「ひろさき桜まつり」には早々と花見客が押し寄せてきた。例年ならば旅行代理店の企画する団体旅行で混雑しているようだが、今年は県外ナンバーの車両が多いのは格安通行料金の恩恵かもしれない。

大別してみると「高齢者のご夫妻」と「子供づれの家族」に分類できるようだ。これは西目屋村のANMON地域に訪れる客層に見られる現象のようだ。その中で子供たちのはしゃぎ様は格段のように見える。もちろん長時間の車での移動で抑圧?されたことからの開放感もあろう。

しかし、それだけではなく散策道の残雪に踏み込んで靴をぬらしながらも歓声をあげている姿は、非日常から開放された喜びの何ものでもないだろう。

そのような姿を見れば、何かしらの世話を焼きたくなるのは普通だろう。簡単に言うと「おもてなし精神」なのだが、別に言うと「おせっかい」なのかもしれない。「こんにちは!どちらから?」と声をかける。「横浜なンです」「千葉から…」とほとんどが県外からのお客様だ。

「ボク?元気だね、どこから来たの?」応えは明るく弾んでいる。「藤沢から来たンだ!」「おばあちゃんもいっしょでいいね」…こんな会話から「おばあちゃん、お疲れでしょう。

すぐそこに花が咲いていますよ」…テナ具合で押しかけガイドに変身して少しだけ案内をする。「ありがとうございます。

白神山地までこられてよかった!冥土の土産になりました。」「おじさん!おじさんは山に住んでいるの?」小さなデジカメで花の写真を写していた孫の質問です。「ボクさ、またおいで!夏休みの課題がいっぱいあるンだからネ」。

母親の顔を見上げた子に母親が頬笑んでうなずいていた。そしてその子の靴は泥だらけ、そんな子供をだまって見守る家族の豊かな心は白神山地の豊かさと包容力にも似ているようで心が和む瞬間なのです。

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プロフィール

土岐 司

1942年青森県生まれ

高校理科教員を38年勤め、2004年有限会社ヒーリングエコツアーPROガイド エコ・遊を設立。 教員在職中、白神山地を題材とした授業の中で、白神の自然を後世に残すという想いに目覚める。

会社設立より現在に至るまでのシーズン中(5月中旬~11月中旬)に白神を留守にしたのは片手で数えるほど。

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