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連載企画

縄文の風を感じてみませんか?-土岐 司-

第49回 白神の森で絵本を読んだ2 2011年2月16日

彼らは、絵本の森の真っ只中にいることに薄々気がついているようだ。「おじさん!私ね六本柱のところに行ったよ」「ボクもおじいちゃんと行った」と絵本の主人公たちがしゃべり始めた。EcoリパのスタッフSさんが時計を気にしているが、ここで半端にはできないじゃないか。

この計り知れない未来の可能性を秘める児童たちのどこかに、自然や妖精や精霊を感じる遺伝子を埋め込まなくてはならない。千載一遇のチャンスを生かさなくてはならない。「そうか、三内に行ったことのある人は手をあげてくれるかな?」との質問に上級生数人が手をあげてくれた。

手をあげてくれた児は学校のプログラムだという。「この絵本の六本柱、大きいよね、こんな感じだったよね」・・・・体験のある児の瞳が輝いている。

チビは何のことだかサッパリの顔だが、上級生の話題に興味を示している。

「あのね、ここの村にもジョウモン人がいたンだ。ちょっと手を出してみて?」「クックルを出してみようネ」「?」・・・・・。

こんな他愛もない時間は子供なりに忙しい毎日の生活では貴重な時間かもしれない。

夏休みに児童館に集う子供たちの生活の背景を考えると両親が共働きなのかもしれないし、そんな時間を児童館で過ごしているのだろう。

私の二人の孫も時間外保育や放課後を児童館で親が迎えにくるまで過ごしている。それだけに、絵本に夢中になっている児たちがイトオシイのだ。もちろん、児童館の職員もそのことを承知して対応されていることだろうが、いっ時でも私のように時間を分担してくれる存在は貴重かもしれない。

さようなら!

短い時間だったが、バスの窓からチギレルほど手を振りながら去って行く子らを見えなくなるまで見送った。「途中で縄文遺跡の発掘現場を見てネ」と送り出したが、企画をしたSさんも子供たちに見せなければという思いを強くしていたから、きっと車窓からでも眺めているに違いないと思いつつも、疲れて眠っているかもしれないチビのアドケナイ顔を思いだした。

後日談になるがSさんが来宅してくれた。若いSさんはお茶屋さんの社長さんだが率先して社会の駆動輪になって頑張っているヒトだ。何かと相談を受けることもあるが先進的な考え方を持っても独走することもない好青年で好きなタイプである。彼からの相談は何となくOKさせられてしまうから変だ。

自宅に来たSさんは「絵本を読んでいる時の写真に素敵なのがあるけど、パンフなんかに使っても・・・・・」との事で、彼の活動の役に立つならとOKをしてしまった。「また、絵本読みしようや!」「ユネスコ・トーチランも楽しくなるよう頑張るべヤ!」で彼の企画を楽しみにして「おやすみなさい」をした。

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プロフィール

土岐 司

1942年青森県生まれ

高校理科教員を38年勤め、2004年有限会社ヒーリングエコツアーPROガイド エコ・遊を設立。 教員在職中、白神山地を題材とした授業の中で、白神の自然を後世に残すという想いに目覚める。

会社設立より現在に至るまでのシーズン中(5月中旬~11月中旬)に白神を留守にしたのは片手で数えるほど。

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