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連載企画

縄文のワケ -菊池 正浩-

第25回 「縄文」復活 2010年6月3日

先日の読売新聞の夕刊に、「縄文」復活という記事が載っていました。(5月28日付)

小学6年生の教科書に、「ゆとり教育」のとばっちりで、2002年以来、「縄文時代」が消えていたというのです。「農耕の始まり」ということで、弥生時代からしか記述されなかったといいます。それが、ようやく来年2011年の教科書では、「農耕の始まり」から「狩猟・採集や農耕生活の始まり」と指導要領も改定になり、「縄文」が復活することになりました。来年の教科書には、三内丸山遺跡の写真もしっかり載っていました。

この記事を読んで、まず感じたのは、「なんともったいない」ということでした。

縄文時代の面白さを感受性豊かな小学6年生に、この9年間伝えられなかったということは、ほんとうに「もったいない」ことだったと思います。

最近わかってきたことは、弥生時代には、縄文人のさまざまな暮らしが、弥生人の暮らしに交じり合い、一部受け継がれているということです。土器を見てもそうですし、稲作を見てもそう言えます。純粋な水田稲作の技術は、弥生時代に大陸から伝わりましたが、陸稲のような米の栽培は、すでに、縄文時代後半から始まっていたといわれます。

日本列島のはじまりを単に大陸の水田技術の導入からみるのか、縄文人と弥生人の文化の融合の視点で見るのかでは、日本文化に対する印象が、まったく違ってきます。

その意味でも、「縄文」復活はうれしいことですが、縄文を習わなかった子どもたちの「うしなわれた9年間」は、ほんとうに、「もったいなかった」と思います。

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プロフィール

菊池 正浩

番組プロデューサー。

NPO法人・三内丸山縄文発信の会会員。 1946年生まれ。青森県弘前市出身。早稲田大学卒業。NHK入局後、美術・歴史番組を担当。 1994年NHK青森放送局で大集落発見直後の三内丸山遺跡を紹介。

その後、東京で NHKスペシャル「街道をゆく」「四大文明」 「日本人はるかな旅」「文明の道」などを担当。

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