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連載企画

あそこのおかあさん縄文人だから -山田スイッチ-

第38回 五穀豊穣の祭り 2011年8月25日

縄文イベントラッシュの秋。
2011年9月4日に始まる三内丸山遺跡でのイベント
「FEEL THE ROOTS」から、
2011年9月17日~19日の三内丸山縄文発信の会さんの
例年のお月見コンサートなど。

時期を同じくして、青森県内は五穀豊穣の祈願のために、
重要無形民俗文化財の「お山参詣」(2011年8月27日~29日)が
弘前市の岩木山神社で行われます。

2011年9月11日~13日には、
平川市の「獅子踊り」も猿賀神社の境内で
一日中お囃子を演奏し、多数の獅子踊りの組が獅子を舞う
県下獅子踊り大会が開催されます。

お山参詣や獅子踊りを見ていると、
そのお囃子の響きに
気付かぬうちにトランス状態に入ってしまうのです。

トランスとは、常態とは異なる精神状態を言います。
普段とは違う意識。
お山参詣で白装束を着て、「サイギサイギ」と歌いながら、
岩木山神社の境内を目指す人達の後をついていくと、
不思議なほどのトランス状態に入ってゆきます。

およそ、普段ではそれほど速く歩けるとは思えない
おじいちゃんおばあちゃんが、
軽やかに神社の境内へと続く長い長い参道を駆け上がり、
岩木山神社の神様にご挨拶し、
また駈け下りてきます。

そして登山囃子の演奏を披露するときの
村の人達の神がかった雰囲気。
おじいちゃんが不思議な声で不思議な言葉を
発しているのですが。
何を言っているのか全然聞き取れず、
さらにその声というよりも音の上がり下がりが
私の精神状態をかき乱していきます。
登山囃子の演奏を聞いていると、泣きそうになるのです。

獅子踊りの演奏も何故だか、泣きそうになってしまいます。
それは、通常の精神状態では考えられない
もっと生命の根源に関わることを頼りに、
音を構成しているからではないか……と思うのです。

縄文時代、人々の平均年齢が30才前後であった頃、
生きているということはもっと不思議なことだったのでは
ないかと思うのです。
30年のサイクルで人が生まれ、死んでいたということは
当時の人達は、たくさん人が死ぬのを見ていたわけです。
そして、自分が生きているのを
その差から感じていたわけです。

そこから、あの音は生まれたのではないか? と
思うのです。

秋。縄文イベントで三内丸山遺跡へお越しの際は、
ぜひ、県内の伝統芸能であるお山参詣や獅子踊りも
ごらんになってみて下さい。
自分がトランスする瞬間に、立ち会えるかもしれません。

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プロフィール

山田スイッチ

1976年7月31日生まれ。

しし座のB型。青森県在住コラムニスト。 さまざまな職を経て、コラムニストに。 著書に「しあわせスイッチ」「ブラジルスイッチ」(ぴあ出版刊)、「しあわせ道場」(光文社刊)がある。

趣味は「床を雑巾で拭いて汚れを人に見せて、誉めてもらうこと」。

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