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縄文のワケ -菊池 正浩-

第7回 お月見のワケ(その1)そもそも話 2009年8月12日

今年も、9月5日(土)に、三内丸山遺跡で、お月見縄文祭が開かれます。

三内丸山遺跡で、お月見するようになったのは、いまから11年前です。

月を見るのは、遺跡でも、街でも同じではないか思われるかもしれませんが、これが大違いです。

忘れもしない1999年9月25日土曜日、台風18号が直撃した日でした。

午前中までは、台風の雨が残っていましたが、午後になると、からりと晴れました。

中空に、月が顔を出したときの感動は忘れられません。

三内丸山縄文発信の会のメンバーは、「縄文ファイル」に、こんな一文を寄せています。

「何か不思議な世界であった。今から4500年前もかくやと思える雰囲気が、そこには

あった。死者を弔うごとく、現世を嘆くかのごとく。

それにしても、なぜあのように墓の多い場所なのだろう。

今より以上に、心あるものが集い、嘆き哀しみ、お互いを励ましあったのだろうか。

天空の大きな月が、優しく微笑み、胸襟を開いて迎え入れてくれたに違いない。

心あるものよ。ここに集えと。おそらく遠くの集落から時間をかけて、はるばるやってきたに違いない。魂の追憶を求めて。」

ある女性は、こう記しています。

「『今日、時間つくって来て本当によかった。きれいな月だった』―鬱々とした毎日が続いていたのだろうその人が、最後にそういうのを聞くとホッとした。

感情まで満ちてくるような月夜に縄文の女たちも、もらい泣きなどしながら浄化し、また

日常へと帰っていったのだろうか」

この最初のお月見の体験は、忘れられないものになりました。

それから、毎年秋、「三内丸山に集まろう」と呼びかけて、「お月見」が続けられています。

今年も、9月5日(土)、三内丸山遺跡で「お月見縄文祭」が開かれます。

ぜひ、遺跡に足を運んでみてください。

あなたも、やみつきになります。

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プロフィール

菊池 正浩

番組プロデューサー。

NPO法人・三内丸山縄文発信の会会員。 1946年生まれ。青森県弘前市出身。早稲田大学卒業。NHK入局後、美術・歴史番組を担当。 1994年NHK青森放送局で大集落発見直後の三内丸山遺跡を紹介。

その後、東京で NHKスペシャル「街道をゆく」「四大文明」 「日本人はるかな旅」「文明の道」などを担当。

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