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連載企画

あそこのおかあさん縄文人だから -山田スイッチ-

第44回 皿割り大会の想い出 2012年2月27日

先日、2010年に三内丸山遺跡で開催した
三内丸山縄文大祭に来てくれてた友人に、こんなことを言われました。

「あの時はスイッチさん、1才の赤ちゃんを抱えながら
イベントやっていたじゃない?
オッパイが張るっていいながらよくやったよねえ。
遺跡に火を焚いたり、太鼓でみんなで踊ったり…」

そう言われるまで自分では気付かなかったのですが、
三内丸山遺跡で縄文イベントを開いた時は
子どもがまだ1歳で、授乳しながら子どもを抱えて
イベント準備に明け暮れていたのでした。

「何故、乳飲み子を抱えながらイベントなんて…」と
思われるかもしれないのですが。
私が縄文イベントを開く時はいつも、
子どもを産んだ勢いで開催している気がするのです。

その中でも、長男を産んだ後に開いた縄文イベント…
2006年の「皿割り大会」は
今となって思えば、大成功のイベントであったと
思うのです。

縄文人が土器を、割るために作っていたのではないかという
そんな学説があることをテレビ番組で知った私は、
無性に縄文人が何のために土器を割ったのかが知りたくなって
当時、まだ0才だった息子を背中に背負い、
自宅の車庫で、理由を確かめるために一枚の皿を割ったのでした。

すると、打ち震えるような妙な感動と憑き物が落ちたような
不思議な感じを得て、こう思ったんです。

「これは、みんなに割らせてあげなければ……!」
お節介にもそう考えた私は、2006年1月15日に
50名限定の皿割りイベント「皿割り大会」
(ワンドリンク・鮭トバ付き、皿付き、生演奏あり、
団体傷害保険加入、参加費2千円)の開催に繋がったのでした。

皿を割る、という行為がただ割るのではなく、
重要な意味をもつことなんだということをわかってもらうために
当日はプログラムに皿の割り方や、「何故、皿を割るのか」ということについて
書き、皿を割るまでの意識を高めてもらうことにしました。

「何故、皿を割るのか」

皿割り第一条
①まずは今日割る皿を手に取り、よく眺め、撫でるなどして、
その皿が本日貴方の割る皿だということをよく意識して下さい。
皿割り第二条
②皿に念を込めます。事態をよりよい方向へ導くためには、
今あるものを焼き捨てることです。
エジプトでは火は全てを清め、
純化してくれるものとして崇められていました。
今回は火の代わりに皿に思いを込めて、
割った瞬間にまた新しく生まれ変わると念じましょう。
皿割り第三条
③皿割り場に立ち、深く息を吸って皿を持ち上げ、石盤に叩きつけます。
皿割り第四条
④他の方が皿を見事に割ったら、拍手をしましょう。

皿に願いを書いて割るとその願いが叶うという西洋の言い伝えをもとに、
マジックで皿に好きな願い事を書いてもらいました。

トロンボーンやサックスの演奏を楽しんだ後、
50名の参加者は皿を握りしめ、1人ずつカマクラの中に設営された
「皿割り場」に足を踏み込みます。
そして、私がまず最初に皿を石に叩きつけると、
周りから拍手喝采が起こりました。

それから、次々と人々が色々な思いを込めて
皿を割り、皿に願いを込め、それを昇華させていきました。
私が皿に書いた文字は、「生きる」という言葉でした。

この会の後、参加してくれたたくさんの方に
「皿割り大会はもう開かないんですか?」
と聞かれます。
割った50枚のお皿はわが家の畑の裏にきちんと埋め、
2000年後に土器として発掘される日を待っているのです。

写真で見る皿割り大会結果報告
写真でみる皿割り大会 後編

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プロフィール

山田スイッチ

1976年7月31日生まれ。

しし座のB型。青森県在住コラムニスト。 さまざまな職を経て、コラムニストに。 著書に「しあわせスイッチ」「ブラジルスイッチ」(ぴあ出版刊)、「しあわせ道場」(光文社刊)がある。

趣味は「床を雑巾で拭いて汚れを人に見せて、誉めてもらうこと」。

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