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あそこのおかあさん縄文人だから -山田スイッチ-

第46回 有識者と主婦の間に 2012年6月25日

時折、「有識者」として縄文についてのアドバイスを求められることがあります。
(有識者といってもほとんど無識者なのですが……)

私という人間は、ただの主婦が新聞にコラムを書いているぐらいで、縄文について何も知らないのに勢いだけがあって、勢いだけで庭に竪穴式住居を建てたり、三内丸山遺跡で火を焚いて踊ったり、外ヶ浜町にストーンサークルを造ってしまった、妙な人間なのです。

今思うと、縄文人が取り憑いていたとしか思えませんね。
さて、そんな有識者と主婦の二つの仮面を持つ私が、遺跡の保全について聞かれたら何と答えるかというと…。

有識者の方の私は縄文遺跡に対して、「とにかく遺跡は発掘調査以外は何も手を付けずにそのままの状態で保全しておいた方がいいです。
縄文の森をそのままに残しましょう!
そして、その当時食べられていた食材を使った自然食のカフェを出したらいいんじゃないでしょうか?」

とか言うはずなのですが、主婦の方の私に聞いてみますと……。

「やっぱり子ども達が遊べるようなアスレチックの遊具が欲しいですね。
あと、遊び疲れたらアイスとか食べたいのでアイスの販売をしてくれませんか?」

なんて言い出すはずなんですね。
先日、近所に住むママ友に、「正直、近所にナスカの地上絵があったら観に行きたいと思う?」

と聞いたところ、「ええっ、ナスカの地上絵って、田舎館村の田んぼアートみたいなものなんでしょう?」と、大変にパンチの効いた答えが返ってきました。

「う~ん、近所にあったら行ってもいいけど、子供が飽きると大変だから、やっぱりアスレチックランドがあったら行くかもねえ。」とのコメントを頂きました……。

世界遺産のナスカの地上絵でさえも「近所にあったら行く」レベルで、「アスレチックランドと抱き合わせ」で魅力を求めるものなのか……と。

三内丸山遺跡の体験工房は大変充実しておりまして、憧れの縄文ポシェットや編布、板状土偶やまが玉、再生琥珀のペンダント作りなんかも体験でき、さんまるミュージアムでは様々な発掘物を眺めることができます。

ですが、小学生以下の子供……。ようは、人の言うことを聞かない野生のエルザのような未就学児を持つお母さん方には、なかなか足を運べない場所なのもしれません。
ママ友が言います。

「私が小さい頃、家の近所に滑車で遊べる場所があってさ。その滑車って池の上を走るヤツで、水に落ちる人もいたんだけどすごい人気だったんだよね。そういうの作ってくれたら行くよね~!」

おお……、なんだかワイルドさを感じる遊具ですね。
有識者の私はなんと言うかわかりませんが、主婦の方の私だったら子ども達にやらせてみたい感じです。

そして、子供が池に落ちたなら。
ご近所の三内温泉(入湯料350円)の集客も、上がるような気がするのです。
画像:あそこのおかあさん縄文人

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プロフィール

山田スイッチ

1976年7月31日生まれ。

しし座のB型。青森県在住コラムニスト。 さまざまな職を経て、コラムニストに。 著書に「しあわせスイッチ」「ブラジルスイッチ」(ぴあ出版刊)、「しあわせ道場」(光文社刊)がある。

趣味は「床を雑巾で拭いて汚れを人に見せて、誉めてもらうこと」。

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