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連載企画

縄文探検につれてって!-安芸 早穂子-

第48回 縄文サロン―巨大スーパーマーケットと縄文の食事情比べの巻ー 2012年7月10日

なにわの名物縄文サロン。毎月開催10余年、なぜこんなに続くのかはナニワの謎・・今回も新しい顔が増えました。7月は総勢16人ほど、お話頂いたのは関西では人気のスーパーマーケットKHOYO(イオングループ)監査部の足立さんら3人。 縄文サロンでスーパーマーケット? はい、縄文サロンのポリシーは 「意外なものでも縄文と結びついている」ことを発見する面白さにあるのです。(むりやり結びつけることもあります)

今回は、あまりにも複雑化して原点が見えなくなった現代の食事情を 不安定だったがシンプルに生死と直結していた縄文時代の食料調達と比べてみることになりました。スーパーKHOYOでも、バブル崩壊を越え、「食の安全」にかかる業界のスキャンダルを乗り越えてやってきた現在が ご本人たち曰く「産地直売のネット市場に比して どんどん魅力が無いものになりつつある」状況から どのような理想のもとに脱却していけばよいのか、模索の最中なのだそうです。

KHOYOさんの自慢は、肉牛一頭の半分まるまるを仕入れる半頭買い、マグロやブリなどの大型魚も一本単位での丸ごと仕入れ。そのわけは、部分だけを買うとその前の行程でアラや骨などを捨てることになるが、スーパーが自分たちでおろしてパックすれば、「工夫次第でいらない部位も煮込みになったり、出汁になったりして商品として販売できる」とのこと。昔は商魂と言いましたが、今ではエコで省エネな発想。小さな小売商店が潰れてゆくことにも心を痛めながら、「売れればよい」から「持続可能で魅力的」な食糧供給の原点に立ち返ろうとする模索が真剣に行われていることにメンバーも感銘を受けました。

食料をゴミにするまいと踏ん張る日本のスーパーのきめ細やかな工夫に感激しながら「それでも出る残飯は是非有機肥料にしてください」と、農業原理主義者のマシューズ先生がさらなる理想上乗せのコメント。

縄文サロンはこのところ 村おこしに関わっているデザイナーやIT関係、農業や食事情について研究している研究者も少なからずやってくるので、聴衆もずいぶん多様になりました。合言葉は「大人の遊び場」!飛び交う会話にもシャレ心があってこそナニワ元禄魂。最後に皆さんで回すコメントアワーでは、どれだけチカラ技を発揮して縄文につなげてくるか!?が見せどころです。

その土地、土地で長い歴史の中から気候風土に合うとして育てられ口にされてきた作物が、薄利多売のために同じものしか買わないスーパーと効率のためのリスク管理によって どんどん多様性を失ってゆき、調理方法も個性を失い、今の若い世代が知っている「食べもの」の姿はあまりにも均一化してバラエティを欠いているとはいえないでしょうか。「食料を手に入れる」というシンプルなことからはっきりと見えてくるのは 現代の必要不可欠な仕組みとそうでない仕組みでした。

木を選び枝を払い、それで狩の道具を作って猟場に出かけ、何日も追いかけたり見失ったりしながら、ようよう獲物を捕獲して、他の動物に横取りされないよう急いで村へ担ぎ帰り・・・あ~縄文人は大変だったろうな~・・・縄文人がスーパーマーケットに行ったら、夢のようだと大喜びするのか、ナニコレ気持ちワルイ!と逃げ出すのか・・・
今回の縄文サロンはトーク終了後もそのあたりで 終わらない議論(?)がビール片手(!)に続いたのでした。

縄文サロン例会後の様子
トークが終わってからも がやがやと会話が弾む縄文サロン
これをアリタリア的光景と呼ぶ・・・アリタリア(イタリア航空)では
シートベルトのサインが消えると皆が立ち上がってうろうろしながら談笑しあう
イタリア夜の広場的光景が展開されるのだ!
縄文サロン アーカイブ
2011年4月 嵯峨野巡見~つくられた歴史的景観・京都景観遠足その1~(京大 高木)
2011年5月 モンゴロイドを追う旅~写真家の目線で見るモンゴル~(写真家 赤坂)
2011年6月 現代遺跡老朽化するニュータウン~高台に戻る住処~(千里フォーラム会長 奥居)
2011年7月 さかさ日本地図から見えること~大陸との距離感~(安芸)
2011年9月 東山巡見~川が隔てるこの世とあの世・京都景観遠足その2~(京大 高木)
2011年10月 縄文人と森~環境コントロールとしての野焼き~(小山)
2011年11月 インドで見たこと感じたこと~現代日本若者旅の報告~(塩田君・大川君)
2011年12月 忘年会
2012年1月 ユヌス=ムハマドとグラミン銀行の挑戦~貧しさは無くなるのか~ (大阪市 平塚)
2012年2月 町おこしと縄文~島根県匹見町の地産わさびとソーシャルネットワークの可能性~(グラフィックデザイナー尼子)
2012年3月 都市を農村化せよ~家庭菜園が人類を救う!~(民博マシューズ)
2012年4月 嵐山巡見~嵐山中世桜景観めぐり・京都景観遠足その3~(京大 高木)
2012年5月 京野菜ブランドができるまで~風土と作物~(民博サントモーリス)
2012年6月 スーパーマーケットの未来~現代食糧供給事情~(スーパーKHOYO 足立)

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プロフィール

安芸 早穂子

大阪府在住 画家、イラストレーター

歴史上(特に縄文時代)の人々の暮らしぶりや祭り、風景などを研究者のイメージにそって絵にする仕事を手がける。また遺跡や博物館で、親子で楽しく体験してもらうためのワークショップや展覧会を開催。こども工作絵画クラブ主宰。
縄文まほろば博展示画、浅間縄文ミュージアム壁画、大阪府立弥生博物館展示画等。

週刊朝日百科日本の歴史「縄文人の家族生活」他、同世界の歴史シリーズ、歴博/毎日新聞社「銅鐸の美」、三省堂考古学事典など。自費出版に「森のスーレイ」、「海の星座」
京都市立芸術大学日本画科卒業
ホームページ 精霊の縄文トリップ www.tkazu.com/saho/

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