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連載企画

縄文の風を感じてみませんか?-土岐 司-

第9回 雪の降るころ 2009年1月13日

山仕事をする人の誰もが里に戻る季節は、葉を落とした裸木の森は深閑とした景色が広がる。葉をまとった森は遠くを見渡すことができないが、景色が透けて近くに見える。人は寂しいと表現もするが中々素敵な景色です。

夕刻にでもなれば、細かい枝先の灰色が鉛色に輝く。このような景色は多くの人の目にふれることもなく、一部の酔狂な人だけの密かな楽しみです。深く積もった落ち葉を踏むと枯葉の音楽が聞こえ、空にはドンヨリとした雲がかかり冬の兆しを感じる。

遅出のキノコを探すこともままならないのだが、それでもシャキッとした姿のキノコが待っているようで嬉しい。遅いキノコ達はラッキーだと虫も食べていないこともあるので、直ぐにインスタントラーメンの鍋にぶちこんで食べることが出来る。何とも贅沢な野外料理の時間です。この頃は「エコ箸ブーム」なので現地調達の箸を使うのは普通になって、どのようなお客様にでもお勧めして喜ばれています。

秋の日差しは柔らかく優しいから、ラーメンランチのあとは枯れ草を枕に昼寝するのも楽しく風情が感じられます。北国の秋の夕暮れは釣瓶落としで夜になるので長居は避けたいところですが、短いからこそ楽しみが大きいのかも知れません。また、空気が澄んでいる季節だけに晴れた夜空は、満点の星が飾られ、空を一人占めする満足感に浸れるが、寒さもひとしおだけに防寒対策は十分にしなければならない。

そんな日を重ねながら砂時計の砂が落ちるように冬へのカウントダウンがはじまる。雨露に濡れた路面はスリップしやすいし、白神ラインの未舗装はあちこちに水溜りができ、車を大切にする人は走らないのが賢明ですが、その時期だからこそ走りたいと思うのは、ひと影のない道に動物の姿を見るチャンスが広がるからです。

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プロフィール

土岐 司

1942年青森県生まれ

高校理科教員を38年勤め、2004年有限会社ヒーリングエコツアーPROガイド エコ・遊を設立。 教員在職中、白神山地を題材とした授業の中で、白神の自然を後世に残すという想いに目覚める。

会社設立より現在に至るまでのシーズン中(5月中旬~11月中旬)に白神を留守にしたのは片手で数えるほど。

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