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あそこのおかあさん縄文人だから -山田スイッチ-

第15回 夢の縄文土器 2009年7月17日

願い事って、叶うものですね。

昨年末に誓った2009年の目標は、「縄文土器を作ること」だったのですが。

まさかいくらなんでも、縄文土器は作れないだろう? と。内心、思ってはいたのですよ。

思っていたのに。

「叶う」という字は「口で十」と、書きまして。出会う人、出会う人に「今年は縄文土器を作るよ!」と、無理だろうけどやってやろうという気持ちでそれを十回も唱えていると、願い事は自ずと叶ってしまうのです。

今年は縄文土器を、本当に野焼きで焼けそうな勢いのあそこのおかあさんです。

三内丸山縄文教室……。その縄文教室の驚くべき内容は、第一回が『石器作り。』その注釈には『黒曜石で石器を作ります』という、いともあっさりとした説明が!

まるで「石器と言えば黒曜石でしょ」といった風な玄人っぽさです。

ひょ、ひょっとして。土偶とか土器も、作れるの……!?

そう思って三内丸山遺跡のホームページをガーッと調べてみたところ、ありました。

土・器・作・り・の、コーナーが!!

2009年7月25日が粘土で土器を作る日。そして作った土器を自然乾燥させて、2009年9月26日がその土器を、野焼きにする日だというのです。の、野焼き……!?

野で火で焼くの!? 史跡で火ぃ焚いていいの!?

そんなことしたら、マジで縄文人みたいじゃん!!

これはもう、申し込まない手はないです。

『あそこのおかあさん縄文人だから』の私には、4歳児と生後4ヶ月の子供がいるのですが。背中におぶれば、どうにか土器ぐらい作れるのではなかろうか?

うちのバッチャに頼めば、土器をこねてる間ぐらい、

ひ孫を見てもらえるんじゃなかろうか?

そう思って三内丸山遺跡の縄文教室に、お電話をしてみました!

ドンドンドン! (夜中にこどもを背負って医者のシャッターを叩くような勢いで)

「お願いです! 開けて下さい! 私に、土器を焼かせて下さい!!」

すると、縄文教室のお兄さんが出て言いました。

「ハイ。体験コーナーのお申し込みですね~。お子さんは何年生ですか~?」

「ええと……まだ、0歳なんですけど……。」

「えっ、れ、0歳!?」

「あの、作りたいのはうちの子供じゃなくて、私の方なんですが……。」

「お、お母さんですか!?」

「あ、あの。私、(小さい声で)やまだすいっちと申します……。」

「……ああ~!」

(2人同時に)

「いつもお世話になってます!」

そんなこんなで。担当の方に頼み込んで、子供達に紛れ込んで。

土器を作らせてもらえることになりました……!

願い事って、口に出せば叶うものなのですね……!

さんまる(三内丸山遺跡の略称)に行くのが楽しみです!

三内丸山遺跡では今、土器の発掘現場を公開中。

盛土と呼ばれる縄文人が800年もの間、同じ場所に土器を捨て続けた

(土器を埋葬し続けた)場所が森の中にあり、一般の人でもその発掘中の

穴ぼこを観ることができるのです。

その、土の中に埋まった土器の生々しいこと……!

盛土の周りには70年に1度しか咲かないという、笹の花が咲いており、

桑の実が黒く熟していました。

桑の実は取って食べると甘酸っぱく、自分が

太古の人間に生まれ変わったような気がしてきます。

発掘現場にフッと足を踏み入れた瞬間に、縄文の森が顕われます。

「ああ、ここを観ておかなかったのは、失敗だったなあ」と思い、

今度からさんまるを案内する時は、

この縄文の森を一番に案内したいと思ったのでした。

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プロフィール

山田スイッチ

1976年7月31日生まれ。

しし座のB型。青森県在住コラムニスト。 さまざまな職を経て、コラムニストに。 著書に「しあわせスイッチ」「ブラジルスイッチ」(ぴあ出版刊)、「しあわせ道場」(光文社刊)がある。

趣味は「床を雑巾で拭いて汚れを人に見せて、誉めてもらうこと」。

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