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連載企画

あそこのおかあさん縄文人だから -山田スイッチ-

第19回 三内丸山縄文大祭1 2009年11月6日

一つの灯りをみんなで見つめる。

太鼓の音に身を委ねる。

音は空と大地を繋げていく。そして、大地の上で踊る。

舞踏家・雪雄子の見ている「空」、

神楽太鼓奏者の石坂亥士が生み出す大地の「音」。

何故こんなに世界は美しく、遺跡の空気は心地よいのか。

作家・田口ランディの感じている世界に触れると、この世界がいかに生に溢れ、

生きていることがどんなに楽しいことなのかがダイレクトに伝わってくる。

遺跡に灯す火と水の明かり。

縄文からの声。そして、神も踊り出す!」

 

これは、「あそこのおかあさん縄文人だから」でおなじみの、

子持ちコラムニストである私が総合プロデュースを手がけた、

縄文友の会(会長:田口ランディ)主催の「三内丸山縄文大祭」への、

お誘いのメッセージです。

イベントを終えた今、まさか。

本当にこのメッセージ通りのイベントになるとは、思ってもみなかった

山田スイッチです。

開催日の10月18日は、朝から降ったり止んだりを繰り返す、天気雨のお天気。

時折訪れる集中豪雨。かと思えば、燦々と輝く太陽。降水確率は50パーセント。

この「降ったり止んだり」のお天気は、

私達がいつも縄文に取り組む時に顕れるお天気です。

このお天気になると私は、神様がそこにいるのを感じてしまいます。

昨年、2008年の8月に私は自宅の庭に竪穴式住居を建てているのですが。

その建設にかかった4日間は、まさしく毎日がこんなお天気。

降水確率は80パーセント。

私達は、その雨を天にどうにか堪えて頂くために、

必死になって、踊りました。

「何故、踊る……!?」と、驚きになる方も多いでしょう。

しかし、我々縄文友の会のやることに、理由はないのです。

全ては直感だけで生きてるメンバーで構成されている会です。

「踊れば晴れる」と信じれば、メンバーが作業を途中で投げ出し、踊り出しても、

それが本気だったら止める者もいないし、むしろ面白がって

それを観ているのが、縄文をそれとなく伝える「縄文友の会」の、

良いところです。

(そして雨の中で踊ると、何故か本当に晴れるのです。)

大切な日に雨が降ると、

私たちは心から晴れることを願って祈り始めます。

科学への信頼も全て捨てて、ただ「祈りだけの存在」へと変わってしまうのです。

何も考えなくても、(何も考えないからこそ)

そのような無垢な状態に、入れるのです。

だから、何か重大なことをする日には、

必ずといっていいほど雨が降るのだと思う。

雨が降ると、心がとても細い状態になります。

私たちの慢心した心はとても細くなる。

そして、一縷の光を求めて、どうかどうかとひたすらに、祈る存在になります。

「神様、どうぞ太陽の顔を私達に拝ませてください。

どうぞ、一瞬だけでも良いのです。

この大地の上で、踊らせてください!」

「三内丸山縄文大祭」のサブタイトルは、「踊れ、アラハバキ!」でした。

屋外での舞踏と太鼓と朗唱による「大地の祈り」の開演は、午後6時から。

リハーサルの午後2時には、遺跡に集中豪雨が訪れました。

「踊れば晴れるんだよ。私、踊るよ!」

そう言って私が外に飛び出し、踊ろうとすると、東京から駆けつけてくれた

アナウンサーの今泉清保さんが「いや、アナタは総合プロデューサーなんだから、

そんなとこで濡れてないで!」と言ってくれると、

新潟から来た若いシャーマンのヤマザキ君が大型竪穴住居から飛び出し、

踊り出しました。

豪雨の中を半裸で、激しく。

「あのね、ただ踊るんじゃなくて、『2時に一旦止んで6時快晴』を祈って踊ってー!そうすると6時には快晴になるからーーー!!」

豪雨の中、三内丸山遺跡でヤマザキ君の披露した踊りは、素晴らしいものでした。そして、本当に不思議なことに、ヤマザキ君が踊り終えた途端に、雲間から太陽が射してきたのでした。

「やった、やったー!」と叫んで抱き合う我々。

雨は本当に2時に一旦止んだ後、縄文時遊館での田口ランディさんの講演が始まる3時にもう一度降り、

講演が終わる時間にはすっかり雨が上がり、快晴の6時を迎えました。

遺跡は清浄な空気に満ち、空には星が輝いていたのでした。

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プロフィール

山田スイッチ

1976年7月31日生まれ。

しし座のB型。青森県在住コラムニスト。 さまざまな職を経て、コラムニストに。 著書に「しあわせスイッチ」「ブラジルスイッチ」(ぴあ出版刊)、「しあわせ道場」(光文社刊)がある。

趣味は「床を雑巾で拭いて汚れを人に見せて、誉めてもらうこと」。

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