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縄文のワケ -菊池 正浩-

第18回 土偶のワケ(1)鶴岡先生の見方 2010年1月20日

今、上野の東京国立博物館で、「土偶展」が開かれています。

国宝の土偶3体をはじめ、日本列島の代表的な土偶が勢ぞろいしています。

めったにないチャンスですから、ぜひ足を運んでみてください。

まず、気がつくのは、土偶と一言でいっても、実にさまざまです。これは、地域差だったり、作り手の技術だったり、いろんなことが影響しているのでしょう。

これまで、土偶について、言われてきたことを会場で確認することが出来ます。

まず、去年のお月見縄文祭のシンポジウムでのケルト研究家・鶴岡真弓先生のことばを思い出します。人体の関節の部分にある渦巻き。それは、エネルギーの源として、ケルト文様では、特徴的なものだといいます。その目線で見ると、確かにありました。長野県中ツ原遺跡出土の通称「仮面土偶」。この土偶の渦巻きは、鶴岡先生のお話にぴったりです。

さらに、土偶の口について。

三内丸山遺跡から出土したたくさんの小さな土偶たち。

よく見ると、みんなぽっかり口をあけています。小山修三先生は、「縄文合唱団」といいました。

ぽっかりあけた土偶の口について、鶴岡先生は、ユニークな意見を言っておられます。

提供 青森県教育委員会

それは、生まれたばかりの赤ん坊が、仮死状態から、おぎゃあと、泣く直前の表情だというのです。そうした目で見ると、確かに、多くの土偶の表情は、生と死のはざまのような不思議な表情をしています。

 

いずれにしても、各地域・各時代の代表選手である土偶が一堂に集まったこの展覧会は、

土偶について、いろいろ考えるまたとない機会です。


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プロフィール

菊池 正浩

番組プロデューサー。

NPO法人・三内丸山縄文発信の会会員。 1946年生まれ。青森県弘前市出身。早稲田大学卒業。NHK入局後、美術・歴史番組を担当。 1994年NHK青森放送局で大集落発見直後の三内丸山遺跡を紹介。

その後、東京で NHKスペシャル「街道をゆく」「四大文明」 「日本人はるかな旅」「文明の道」などを担当。

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