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あそこのおかあさん縄文人だから -山田スイッチ-

第88回 シャーマンかあさん 2016年2月19日

縄文時代にあったとされる職業、それはシャーマン!
シャーマンとは一体何をし、どんな影響を縄文文化に与えていたんだドグ?

まず、シャーマンとは何か。
シャーマンとはトランス状態に入って超自然的存在(霊、神霊、精霊、死霊など)
と交信する現象を起こすとされる職能・人物のことなんだドグ!
「シャーマン」という用語・概念は、ツングース語で呪術師の一種を指す
「シャマン」に由来しているドグ!

秋田の大湯ストーンサークル館に行っても、
シャーマン(呪術師)の存在はイラスト入りで紹介されているので、
縄文といえばシャーマンで間違いないと思うんだドグ!
ただ単に煮炊きするには邪魔すぎる装飾の付いた縄文土器は、
祭祀や呪術に使われたと説明されているドグ!

確かに、「これで普通にご飯は食べないドグよね……」って
思えるほど、新潟県の火焔式土器や長野県の釣手土器は
土器に力がありすぎて、呪術にでも使わなければ割に合わない感じなんだドグ!
縄文人の子供だってこう言ったはずドグ!

「お母さん、この土器こわくてごはん食べれないよ! デザインに蛇とか炎とか盛り込んでない無地の土器がいいよ~!」
すると、縄文人のお母さんがこう言うはずなんだドグ。
「あなた、何を弥生人みたいなことを言ってるの!? その土器は儀式の時に
使う土器なんだから、勝手にどんぐり鍋とか作って食べないでちょうだい!」
って。

そしてそのお母さんはなんと、シャーマン(巫女)なんだドグ!
「あやうく精霊を呼び出す土器でどんぐり鍋を作られるところだったわ……。そうそう、それじゃちょっと気合い入れて精霊でも呼び出して、不作なんとかならない? って
聞いてみましょうね。おっと、儀式だから土偶も使わなきゃね。
土偶がないと始まらないからねえ~」

そして複雑な所作をし、精霊を呼び出す縄文人のお母さん。
「大地の精霊よ……今年も豊作にしてくれないかしら? あと、向かいのササキさんの
足が梅雨時になると必ず痛むから、治してくれないかしら? え? 古傷が痛むのはしようがない? そうね。そりゃ、そうよね。今年は災害とかマジ来る感じ? 来ないで欲しいわ~。来るんなら来るって言って欲しいし。いやしかし、来ないで欲しいわ~」

という風に、表現を変えればもっと厳格な感じだと思うドグけど、
大体は儀式で「病気の治療」「豊作祈願」「雨乞い」「死者との交信」
「薬の調合」「安産祈願」を行っていたんだと思うドグ!
中でも「死者との交信」は、青森県だったら現役のシャーマンとして
イタコが残っているんだドグ~!

イタコは、恐山例大祭のある夏の開催日時にむつ市の恐山に出かけると、
普段、恐山にはいないイタコもやって来て「口寄せ」を行い、
霊を自分の体に降ろして死者と会話をさせてくれるんだドグ!
まさに現代のシャーマン!

だけどイタコと話をするためには、朝一番(6時)から並んで10時間以上も
かかるほど、イタコは大人気で霊を降ろしてもらうのは至難の業なんだドグ。
そこまでして霊を降ろしてもらいたいのには訳があって、
大体のイタコを頼りにしているおばあちゃん達は、子供や夫に先立たれた悲しい過去を持っていて、せめてイタコに頼んで話をしたいと思っているんだドグ…。

縄文時代には産婦人科がなかったから、
死産は今よりずっと多かったんだドグ。
子どもが死ぬと大切に、まるで母親の胎内のような土器(甕棺)に、
骨を母親の胎内にいた時と同じ形に並べ、
「また生まれておいで」という願いを込めて家の前に埋めたんだドグ。

どうにもならない現実を、人は受け入れ難いんだドグけど、
そこにシャーマンがいて、イタコのように「大丈夫、僕は丈夫にがんばってます」と
言ってくれたら、「そうか、丈夫なんだね」と言って頑張れる気がするドグ。
厳しい現実や不条理を超えて行くために必要だったのが、
シャーマンだったんじゃないかとドグ子は思うんだドグ~。

イラスト

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プロフィール

山田スイッチ

1976年7月31日生まれ。

しし座のB型。青森県在住コラムニスト。 さまざまな職を経て、コラムニストに。 著書に「しあわせスイッチ」「ブラジルスイッチ」(ぴあ出版刊)、「しあわせ道場」(光文社刊)がある。

趣味は「床を雑巾で拭いて汚れを人に見せて、誉めてもらうこと」。

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