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連載企画

縄文の風を感じてみませんか?-土岐 司-

第35回 時を刻むことは生きること 2010年2月26日

日常の生活から飛び出すことが「旅」でしょう。日ごろの生活を思い出してみれば、実にシンプルなリズムの繰り返しとも言えましょう。音楽で言うなら

A,A`,B,B`のような単純な音の組み合わせを繰り返しいるのと似ている。それが悪いこととは思わないが単純な旋律で面白みがないのは間違いないでしょう。

同じリズムを刻むならば単純な旋律より変化のある旋律を紡ぐ努力は楽しくはないだろうか。そんなリズムを切替える手段のひとつに「旅」を選ぶことは出かける前からの準備から始まる。

単に「旅に出る」のではなく、旅の中にオリジナルな時間を作ることは個性を創ることでしょう。それは一人旅でなくても団体旅行の中にでも作り出すこが可能です。それは「時間の独占」をたくらむことを目論んで見ることで手にすることができるでしょう。今年の恵方は西南西だと言いますが、まさしく旅に出るなら西南西に針路をと考えて見るのも楽しいかも知れません。

私自身も繁忙期から解放された時には自分だけの時間に身をゆだねたいと思うことがあります。殊に年齢を重ねるにしたがってパーソナルな時間が自分を回復させる貴重なものに感じられます。「出不精」と言う言葉が年を重ねるほど強く感じられます。これが高年齢の兆しかと思うほど極端に外出が大儀になっている自分を感じながら・・・旅に出なくちゃ!と感じるのです。誰もが同じだとは思わないのですが、少しずつ他人との強調が苦手になりつつある自分を感じるのです。だからこそ、そこから脱出しないと新しいステップやリズムを創り出すことが出来ないのだと強く思うのです。

多くのお客様を迎える立場にある私ですが、時間がある限り弘前周辺の神社佛閣に足を運びながら文化を掘り起こして心の糧に加えるようにしているのですが、知れば知るほど津軽の文化の背景に白神という大自然が厳としてあることがわかります。衣食住のすべてが白神山地の自然の恵みであったのです。そんな時間を過ごした後は、古いたたずまいの洒落た喫茶店でひと時を過ごす。小さいけれどリズムを変えるギアチェンジになるのです。

プロフィール

土岐 司

1942年青森県生まれ

高校理科教員を38年勤め、2004年有限会社ヒーリングエコツアーPROガイド エコ・遊を設立。 教員在職中、白神山地を題材とした授業の中で、白神の自然を後世に残すという想いに目覚める。

会社設立より現在に至るまでのシーズン中(5月中旬~11月中旬)に白神を留守にしたのは片手で数えるほど。

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