今年は、平城京遷都1300年にあたります。3月・4月は、「45日間奈良時代一周」という番組でおおわらわでした。今年1年、奈良にかかわることになりそうです。これがほんとの「奈良づけ」(?)といった気分です。
ところで、先日、平成遷都1300年記念事業協会の事務局の福井昌平プロデューサーにお話を聞く機会がありました。そこで、「体験楽習」というお話をうかがうことができました。 ひところのように、企業の協賛を得て、パビリオンをたくさん並べるというスタイルは、このご時勢難しくなってきています。
そこで、注目されているのが、この「体験楽習」という発想だそうです。
英語では、ラーニング・エクスペリエンスというらしいのですが、「体験学習」ではなく、
「体験楽習」と訳したところに、ポイントがあるようです。
たとえば、平城宮で、「なりきり体験」といって、奈良時代の貴族の服装を貸し出しています。それを着て、歩き回るだけで、みやこびとになった気分になれるということで、大人気だそうです。そういえば、ヨーロッパのあるサーカスでは、来場したお客さんの鼻に、必ず紅を塗るそうです。その瞬間、みんなサーカスのピエロになった気持ちになるそうです。要するに、大事なことは、「きづき」と「自発的な参加感」です。それが、いわゆる押し付けられた教育との大きな違いではないでしょうか?
付け加えて言えば、欧米では、環境やアートをテーマにして、いろいろなラーニング・エクスペリエンスの運動が展開されているようです。フランスのエコ・ミューゼ運動などが、
有名だそうです。ただ、日本での歴史・文化の「体験楽習」の試みは、まだまだだということです。
たまたま、三内丸山遺跡のお月見縄文祭のワークショップで、毎年、縄文の仮面づくりをやってきました。毎年、参加する親子の生き生きした表情に助けられて、回を重ねてきました。その魅力はいったいなんなのか、よく分からないながら、続けてきました。
よく考えると、これなんかも、立派な「体験楽習」のひとつではないかと言うことに気づきました。
実は、日本各地のそれぞれのところで、すでに、「体験楽習」は実践されているのではないかという気がします。それを持ち寄れば、きっと、より魅力的な「『学び』と『観光』が融合した新しい『参加体験楽習』プログラム」が生まれるのではないでしょうか。
しばらく、体験楽習にこだわり続けてみたいと思っています。