「ケルト文化と縄文文化は、ユーラシア大陸の西と東のはしの耳飾り」
そんな表現をしたのは、ケルト研究家の鶴岡真弓さん。
去年の9月、三内丸山遺跡のお月見縄文祭でのシンポジウムでのことでした。
そのことが、ずっと気になっていました。重い腰を上げて、今度、縄文の仲間たちと、ケルト文化を訪ねる旅に出ることになりました。
最初に、同じく去年9月にお会いしたニコルさんたちのイギリス・ノーリッチのセインズベリー日本芸術研究所を訪問することにしています。ここでは、三内丸山遺跡をはじめとする日本の土偶とヨーロッパのバルカン半島の土偶の比較展が開催されています。近年、世界的にブームになっている土偶をあらためてじっくり鑑賞したいと思います。
そのあと、短期間ですが、アイルランドに渡って、ケルト文化への旅です。どんな光景が待ち受けているか楽しみです。
司馬遼太郎さんの街道をゆくの「愛蘭土紀行」は、アイルランドの最高の旅のガイドだと思っています。
そのなかでも、一番好きなのが、このくだりです。
「私はとくに酒がすきというわけではない。
ただ旅先では、一日がおわると、一日の経験を酒に溶かしこんで飲んでおかねば、後日、
わすれるような気がしてならない。」
そのあとのくだりが、またいい。
「アイルランド特産ともいうべきギネスのビールはうまい。
とくにミルク・コーヒー色の泡がやわらかくて、アイルランドの心にふれたような気がする。」
とにかく、愛蘭土のパブにいって、黒ビールを飲んで、アイルランドの心とケルトの心、はては、遠く縄文の心に思いをはせてみたいというのが、素朴な長年の夢でした。
そんな一念で旅に出ます。旅の報告は次回。