今年も、9月5日(土)に、三内丸山遺跡で、お月見縄文祭が開かれます。
三内丸山遺跡で、お月見するようになったのは、いまから11年前です。
月を見るのは、遺跡でも、街でも同じではないか思われるかもしれませんが、これが大違いです。
忘れもしない1999年9月25日土曜日、台風18号が直撃した日でした。
午前中までは、台風の雨が残っていましたが、午後になると、からりと晴れました。
中空に、月が顔を出したときの感動は忘れられません。
三内丸山縄文発信の会のメンバーは、「縄文ファイル」に、こんな一文を寄せています。
「何か不思議な世界であった。今から4500年前もかくやと思える雰囲気が、そこには
あった。死者を弔うごとく、現世を嘆くかのごとく。
それにしても、なぜあのように墓の多い場所なのだろう。
今より以上に、心あるものが集い、嘆き哀しみ、お互いを励ましあったのだろうか。
天空の大きな月が、優しく微笑み、胸襟を開いて迎え入れてくれたに違いない。
心あるものよ。ここに集えと。おそらく遠くの集落から時間をかけて、はるばるやってきたに違いない。魂の追憶を求めて。」
ある女性は、こう記しています。
「『今日、時間つくって来て本当によかった。きれいな月だった』―鬱々とした毎日が続いていたのだろうその人が、最後にそういうのを聞くとホッとした。
感情まで満ちてくるような月夜に縄文の女たちも、もらい泣きなどしながら浄化し、また
日常へと帰っていったのだろうか」
この最初のお月見の体験は、忘れられないものになりました。
それから、毎年秋、「三内丸山に集まろう」と呼びかけて、「お月見」が続けられています。
今年も、9月5日(土)、三内丸山遺跡で「お月見縄文祭」が開かれます。
ぜひ、遺跡に足を運んでみてください。
あなたも、やみつきになります。