こんな夢を見た。
腕組をして枕元に座っていると、仰向けで寝た女が、静かな声で私は縄文人だと云う。女は長い髪を枕に敷いて、腕にブレスレット、首にネックレス、耳にイヤリング、縄文人にはとうてい見えない。しかし、自分もこれは縄文人だなと思った。そうかい、縄文人かね。そう聞くと、女は、そうですとも、縄文人ですとも。そう云って、目をぱっちり開けた。そうかい、縄文人かね、そう聞くと、女は、そうですとも、縄文人ですとも、そう云って、目をぱっちり開けた。そうかい、縄文人かね、そう聞くと、女は、そうですとも、縄文人ですとも…(以下、繰り返し)
眉間にしわを寄せて「は?」と発する皆さんの怪訝な顔が浮かんできます。ほんと、すいません。
こさぶろうがみた夢の話…
多分、現代人女性は振り向いてくれないので、縄文人女性に幻想を抱いてるのでしょうね。かわいそう。
さて、2013年、つがる市の田小屋野貝塚で、5千数百年前の縄文前期の成人女性の骨が発掘されました。日本海側でこの時代の人骨出土は大変珍しいそうです。
こさぶろう「たとえ触れられなくても喋れなくても、彼女の雰囲気だけでも感じたい…」
この時、彼の真剣な眼差しを初めて見たような気がしました。
というわけで田小屋野貝塚へ♪
シャコちゃんで有名な亀ヶ岡遺跡から歩くことたった3分の標高10m~20mの小さな丘、それが田小屋野貝塚です。
ちなみに辺り一面に広がる田んぼ。
当時は全部海だったらしいですよ。なんか、すげーロマン感じます。
こさぶろう「わーい」
先川「わーい…」
こさぶろう「…」
先川「…」
こさぶろう「…縄文女子の雰囲気を感じない…」
この遺跡、もともと畑と住宅地で普段は発掘作業を行っていないことも多いので、縄文女子を感じるのは厳しいかもしれません。
先川「まあ、多分あんな感じだろ」
いや、絶対違うよ!
縄文女子を追い求め、次は木造亀ヶ岡考古資料室(縄文館内)へ。
こちらには亀ヶ岡・田小屋野の出土品が多く展示してありますので何か手がかりを掴めるかも。
ここに飾っているアクセサリーは、主に田小屋野貝塚よりも新しい時期の遺跡である、亀ヶ岡遺跡のものだけど、縄文女子っておしゃれだったんですね。実はこさぶろうが夢でみた縄文女子の姿は、あながち間違ってなかったと言えます。
漆が塗ってあったりかなり手の込んだものも。
そういえば、これも縄文女子なんですよね…
土偶は殆どが女性だと言われています。女性が神聖視されていた、ということなのでしょうか。
こさぶろう「言われてみると腰回りが…ぐへへへ」
気持ち悪いんで次行きましょう。
つがる市木造にある「つがる市縄文住居展示資料館(カルコ)」。
ここは室内に縄文晩期の大きな復元竪穴式住居があるんです。これ、圧巻です。
で、中に入ると…
いたーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!いましたっ、縄文女子っ!!
竪穴式住居の中は、縄文人の生活がそのまま再現されています。
こさぶろう「あっ…独身じゃないんですね…」
…彼は一体、何を求めてるんだ??
そしてなんと、こちらでは縄文人の声が聞けるのです。
ボタンを押すと、この古代語を当時の発音のまま?に読んでくれるという、こさぶろうにとっては夢のような仕組みです。
縄文女子に憧れ、追い求めてここまでやって来ました。
触れたり喋ったりは叶いませんでしたが、声が聞ける…これほど嬉しいことはありません。
こさぶろうは感無量でボタンを押しました。
縄文おっさん「ナムタチタライチョ インズクヨリキタリチモノチョ」
こさぶろう「おっさんの方かーーーい!!」
ということで縄文女子との触れ合いやお喋りは果たせなかったものの、その雰囲気はしっかり感じ取れました。
いろんな角度で縄文と接触できる田小屋野貝塚の旅、オススメです。
ちなみに現代に生きる縄文人である山田スイッチさん。縄文女子を求めてこさぶろうが現れるかもしれません。気を付けて!
縄文時代前期の貝塚を伴う集落跡で、数少ない日本海側の貝塚の一つです。ベンケイガイの貝輪(ブレスレット)の加工途中の半製品が多数出土しており、ここで貝輪の製作が行われていた事が明らかとなっています。当時の環境や生業、生産活動を知る上で重要な遺跡です。つがる市木造亀ヶ岡考古資料室に出土品が展示されています。<アクセス>
◎弘南バス
JR五能線五所川原駅「五所川原駅前」バス停から「五所川原・小泊線」(十三経由)、「田小屋野」下車(約30分900円)徒歩約1分/JR五能線木造駅から徒歩約5分「警察署前」バス停から「十三・小泊」行き、「田小屋野」下車(約20分560円)徒歩約1分
◎タクシー
JR五能線五所川原駅から約40分(約4,600円)/JR五能線木造駅から約25分(約3,430円)