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連載企画

Jタローの縄文遺跡旅

第1回 日本最古の土器片は 石っころみたいで、かわいいヤツだった1 2015年7月15日

皆さん、はじめまして。
オレ、Jタロー。
ここのサイトのアイコンはまさにオレなんだけれど、どうやら、
「土偶の顔をモチーフにし、縄文の人々が土偶に込めた信仰の心と白神の木々に宿る精霊を表している」
らしい。
初めてオレを見る人もいるかもしれないから、念のため、おさらいしておくぞ。
青森県出身だけど、津軽弁も南部弁も話せないのは大人の事情だから、スルーしてくれ。
でだ。
今は、京都で仮暮らしをしているんだけれど、オレの主は「土偶女子」を名乗ってあちこち旅して土偶を見ては喜んでいる「こんだあきこ」という人物。この前は「変わったお姉さん」と書かれてた。事実だから、仕方ない。この変わったお姉さんに連れられて、オレも縄文遺跡を巡ってる。
そこで今回は、里帰り企画として、青森県の縄文遺跡に行くことになったんだ。

プロペラとJタロー

場所は、史跡 大平山元遺跡。
「どこよ?それ」
って思った、そこのあなた!ここやで、ここ。

大平山元の看板+地図

地図
場所は、わかったかな?

って思ったら、

ストーンサークルとJタロー

はっ!なんじゃこりゃー。びっくりやんかー。

ここにも環状列石(ストーンサークル)があるのかと思ったら、違ってた。どうやらこれは、縄文ファンでも連載をしている山田スイッチさんが仲間と作ったアート作品らしい。あーびっくりした。ぱっと見て、この事実を知らんかったら、本物かと間違えるわなー。みんなも気をつけるんやで。

で、気を取り直して、大平山元遺跡から出土した物が展示されている「外ヶ浜町大山ふるさと資料館」へ入ってみた。

入り口の画像

もともと小学校だった建物を利用して、資料館にしているから、なんだかとても温かい雰囲気がある。オレ、この空気感大好きやわ。

中庭を撮った写真

で、この遺跡の最大の特徴は、これだー!

土器片が並んでいる写真

これが日本最古の土器片

これ、なんの変哲もない土器片に見えるやろ?オレも最初そう見えた。でも、説明を聞いたら、驚いたのなんの。
この小さな土器片に付着した炭化物を「放射性炭素の年代測定」って方法で調べたら、約16,500年前の物だったことが判明したんだって!
つまりだ。旧石器時代から縄文時代への移行期にあたる土器の欠片、ということになる。
これは、大変だ。この発見によって、「いったい土器はいつ頃作られ始めたのか、そして縄文時代の始まりはいつなのか」
という問題に一石を投じることになったんだ。
しかし、よくこんな小さな土器片を発掘調査で見つけ出したもんだなと感心するわ。この発見によって、日本列島における時代区分が揺らぐんやからな。これだけで決まる訳ではもちろんないけれど、貴重な資料であることは間違いがない。
そういう意味で、遺物って大事なんやなーって改めて思うわ。

土器片とJタロー

貴重な土器片とオレ。オレも貴重になりたい。

さ、次回は、ここで発見された遺物を具体的に紹介しようと思う。
最後に。内緒の話だけれど、ここの枠、お笑い芸人枠らしい。なかなか厳しい枠を与えられたもんだ。お笑い……。大丈夫か、オレ!?

プロフィール

Jタローの縄文遺跡旅

1975年11月10日生 39歳 岐阜県出身
フリーのライター


2010 年に出版された『奈良で「デザイン」を考えてみました』取材中に奈良県観音寺本馬遺跡から出土した土偶に出会い、造形の素晴らしさに衝撃を受ける。 2014年8月『はじめての土偶』(世界文化社)、新刊 2015年7月『にっぽん全国土偶手帖』(世界文化社)上梓。現在トークイベント、ブログ、SNSなどで土偶、遺跡の楽し み方を発信中。

本文ここまで