今年で11回目をむかえた三内丸山遺跡でのお月見縄文祭。
いつのころからか、お月見コンサートの前に、ワークショップを開催するようになりました。
最初は、縄文太鼓を創作した宮崎龍美さんにおいでいただき、イタドリの笛作りをしました。そのとき、参加者全員で、小石を打ち合わせ、リズムを取ったときの子どもたちのイキイキした表情が忘れられませんでした。
縄文時代の楽器がどんなものだったか、まだ分からないことだらけです。
でも、いろいろトライしてみることが、大切のようです。
その後、パーカション・グループ「ファルサ」の肥田野さんたちにも参加してもらい、打楽器でリズムをとるゲームをし、好評でした。
東大の小林康夫先生とその仲間の方々においでいただき、大型住居に釜をすえて、お茶会をしたこともありました。実に、不思議な雰囲気でした。
ここ数年は、縄文アーティストの安芸早穂子さんといっしょに、縄文の仮面づくりにトライしています。遺跡の周辺のススキや草花をアレンジすると、とても野趣にとんだ仮面が出来ます。「仮面」を作ることによって、日常と違う自分に出会えるのも魅力のひとつのようです。
それにもまして、実は、三内丸山の大型住居の中の空間が、ワークショップのかくれた主人公だということに、最近気づいてきました。
今年、ミュージシャンの奈良裕之さんの音楽とコラボレーションして、そのことがよく分かりました。
わたしたちは、一観客として、遺跡をながめることが、ふつうです。
ところが、大型住居の空間の中で、音の響きにつつまれて、1~2時間、夢中になって仮面づくりをしていると、観客のレベルを超えて、縄文人を感じ始めます。
ちょっぴり「こころ縄文人」になった気分です。
ワークショップが、試行錯誤の中で続いているワケは、大型住居の空間のおかげなのだとつくづく思うようになりました。
いずれにしても、親子づれのイキイキした表情をみると、毎年、やってよかったと感じます。