ホーム > 連載企画 > 第100回 縄文友の会

このページの本文

連載企画

あそこのおかあさん縄文人だから -山田スイッチ-

第100回 縄文友の会 2017年3月24日

自宅の庭に竪穴式住居を建ててから、9年目になる。
建てたきっかけは田口ランディさんと結成した「縄文友の会」

「私、友の会っていう響きが好きなんですよ~!」
「じゃあ、縄文友の会でもやるか!」
「ランディさん、縄文友の会の会長になってくださいね!」
そんな、なんとものんきな話から始まった私たちの縄文友の会。

最初は遺跡でおむすびを食べるだけの会だった。
青森の縄文遺跡ではいつも一緒におむすびを食べていたので、最近ではストーンサークルを見るとおむすびが食べたくなるという、不思議な条件反射まで出るようになった。

「ランディさん、私、縄文友の会の副会長として、庭に竪穴式住居を建てますよ!」
「お~! がんばれ~!」
と、このたった一言で竪穴式住居を建てることを決意。

会う人、会う人に「竪穴式住居を建てたい!」と言って歩いたところ、
2008年の夏に本当に建ってしまった。
何故か建てた途端に県内各紙、朝日新聞や読売新聞、青森放送、青森朝日放送、果てはFM東京までが個人で建てた竪穴式住居を取材しに、遠くから足を運んでくれた。

穴の深さは1メートル。
10平米の小さな竪穴式住居だったけど、中には炉と祭壇も完備。
祭壇では遮光器土偶の形をした瓶に入ったお酒「清酒 縄文つがる」を祀り、2012年8月にはお笑いコンビ「キューティーブロンズ」がコンビで泊まりに来てくれた。

わが家の竪穴式住居は、蚊取り線香を焚くと夏なら5分に1回は虫が上から落ちてきて、
その度にキューティーブロンズのこさぶろう君と先川君は、「ギャー!!」と叫び声をあげていたけども。

あの、大変な竪穴式住居宿泊体験のおかげで芸に磨きがかかったのではないか?と、個人的には思っている。

縄文友の会を始めた2008年、私たちは竪穴式住居を建て、翌年には三内丸山遺跡で縄文イベントを行い、その翌年には小牧野遺跡で百人でお弁当を食べる会を催し、震災の年には外ヶ浜町にある大山ふるさと資料館前に現代のストーンサークルを建設し、2012年には小牧野遺跡と三内丸山遺跡で、詩人の吉増剛三氏を迎え、太鼓と踊り、語りのイベントを開いた。

私たちの縄文友の会には、年会費もなく会則もない。
条件はただ一つ、「縄文遺跡を愛していること」
縄文遺跡を愛していれば即、入会できるし、退会するのだって自由だ。
その自由さが、縄文の大らかさのようで気に入っている。

「あそこのお母さん縄文人だから」を応援してくださった皆さん、本当に今までありがとうございました。次回からは、新連載「ドグ子がゆく!」でお会いしましょうね☆

皆さん、お元気で!

イラスト

プロフィール

山田スイッチ

1976年7月31日生まれ。

しし座のB型。青森県在住コラムニスト。 さまざまな職を経て、コラムニストに。 著書に「しあわせスイッチ」「ブラジルスイッチ」(ぴあ出版刊)、「しあわせ道場」(光文社刊)がある。

趣味は「床を雑巾で拭いて汚れを人に見せて、誉めてもらうこと」。

バックナンバー

本文ここまで